近年、気温の上昇に伴い、犬や猫をはじめ多くのペットが熱中症になるリスクがあります。
環境省は「防ごう!ペットの熱中症」ポスターで、日中の散歩・直射日光下での係留・高温の室内での留守番・車内放置を避けるよう強く呼びかけています。
特に冷房の効いていない車内は短時間でも危険です。散歩は早朝または夜の涼しい時間に行い、屋外では日陰・風通し・十分な水を必ず確保しましょう。
室内でも温度・湿度を適切に管理し、ペットが自ら涼しい場所へ移動できる環境を整えることが重要です。
目次
熱中症が起きる理由
動物の体温は対流・蒸発・伝導・放射で調節されますが、密な被毛などから、暑さに弱くなっています。
気温が体温に近づくと呼吸による放熱が機能しにくくなるため、体内に熱がこもりやすくなります。
熱中症になりやすいペット
特にパグ、ブルドッグ、、ペルシャ等は、発症リスクが高いとされています。
また、幼少期、高齢、肥満や疾患を抱えたペットも注意が必要です。
主な症状
- パンティング(大きくハアハア)
- よだれ
- 落ち着きがない
- 粘膜充血
- 高体温 など
熱中症の応急処置と予防
発症時の応急処置
まずは、動物病院に連絡をし、対応を行うようにしましょう。
- 涼しい場所へ移動し安静にする
- 自力で飲めるなら水分補給
- 首・脇・内股など太い血管部位を冷やす
熱中症予防
散歩は早朝・夜など涼しい時間帯に。日中の散歩は熱中症や肉球のやけどの危険。
直射日光下での係留はNG。日陰があり風通しのよい場所を選び、十分な水を常備。
車内放置は厳禁。短時間でも車内温度は急上昇します。ケージが日中に直射日光を受け続けない位置か確認
ペットが自ら快適な場所へ移動できる部屋のレイアウトにする。
チェックリスト
今日の散歩時間は早朝/夜に設定したか
室温を適温でキープできているか
車で外出時、同伴徹底を守れているか
ハイリスクな種類のペットの場合、外出は最小限にしているか
北海道の気温が上がっている
涼しいイメージがある北海道の気温も上昇を続けており、2025年の夏は特に猛暑が続き、40度を記録する地域が目立つようになりました。
札幌の気温の推移
- 1900年 20.9度
- 1950年24.0度
- 2000年23.9度
- 2010年24.8度
- 2020年23.3度
- 2025年26.1度(8月10時点)
このように気温が上昇しているため、ワンちゃんとの散歩する時間にも気を配らないと火傷のリスクが高まってしまいます。
まとめ
ペットの熱中症は予防が最重要です。散歩時間の工夫、直射日光の回避、車内放置の禁止、室内の温湿度管理を徹底し、万一の際は冷やす+受診をするようにしましょう。
参考文献:
環境省「防ごう!ペットの熱中症」
井上 快「平成31年度 熱中症対策シンポジウム:ペットの熱中症と対策」
執筆:どうみんライフ