広大な大地と豊かな自然が魅力の北海道は、愛犬との旅行先として非常に人気があります。しかし、本州とは移動距離や環境が大きく異なるため、事前の計画が何よりも重要です。
北海道旅行を成功させるカギは「エリアを絞ること」と「移動手段の確保」です。
目次
北海道は愛犬との旅行に最適?まずは基本を知ろう
北海道は想像以上に広いです。札幌から函館までは車で約4時間半、知床までは約6時間かかります。「せっかくだから全部回りたい」と詰め込むと、愛犬に過度な負担がかかります。
この記事では、北海道在住の編集部が、無理なく楽しめるモデルコースと、意外と知られていない現地の注意点を解説します。
北海道へのアクセスと現地移動手段
北海道へ愛犬と一緒に行く方法は、主に「フェリー」か「飛行機」の2択です。それぞれのメリットとデメリット、そして現地での足となるレンタカーについて解説します。
フェリー(愛犬とずっと一緒にいたい派)
フェリーの最大のメリットは、「ウィズペットルーム」などを利用すれば、客室で愛犬と一緒に過ごせることです。また、マイカーをそのまま持ち込めるため、使い慣れた車で北海道を周遊できるのも大きな利点です。
主な航路:
商船三井さんふらわあ(大洗ー苫小牧)
太平洋フェリー(仙台・名古屋ー苫小牧)
新日本海フェリー(新潟・舞鶴ー小樽・苫小牧東)
注意点:
人気のあるペット同伴可能な個室は、予約開始直後に売り切れることが多いです。数ヶ月前からの計画が必要です。
飛行機(移動時間を短縮したい派)
飛行機は移動時間を大幅に短縮できますが、基本的に愛犬は「手荷物」として貨物室に預けることになります(一部の航空会社や特別フライトを除く)。
注意点:
短頭種(パグ、ブルドッグなど)は、熱中症や呼吸困難のリスクがあるため、夏場の預かりを中止している航空会社があります。必ず各社の公式サイトで最新の規定を確認してください。
レンタカー(必須アイテム)
マイカーでフェリーに乗らない場合、レンタカーは必須です。ただし、すべてのレンタカー会社がペット同伴可ではありません。
ペット同伴レンタカーの基本ルール:
ケージに入れることが必須条件
座席の上に直接乗せるのはNG
免責補償とは別に、清掃代(NOC)が必要になる場合がある
必ず予約時に「ペット同伴」であることを伝え、専用の車を手配してもらいましょう。
【定番】札幌・小樽・ニセコ満喫コース(2泊3日)
初めての北海道旅行におすすめの、王道エリアを巡るコースです。都市観光と自然の両方を楽しめます。
1日目:新千歳空港・苫小牧港 → 札幌観光
到着後、まずは札幌へ向かいます。
モエレ沼公園:
イサム・ノグチ設計のアートな公園。広大な敷地はリードをつければ散歩可能です。ガラスのピラミッド内は入れませんが、外周の散歩だけで十分楽しめます。
大通公園:
札幌の中心部。テレビ塔をバックに記念撮影ができます。
宿泊:
札幌市内または定山渓温泉のペット可ホテルへ。定山渓には愛犬専用の足湯がある宿もあります。
2日目:小樽運河 → ニセコ
小樽運河:
石造りの倉庫群を背景に散歩。運河沿いは平坦で歩きやすいです。
小樽芸術村周辺:
レトロな建物が多く、フォトスポットが満載です。
午後:ニセコへ移動(約1時間半)
ニセコエリアはドッグランやテラス席ペット可のカフェが非常に充実しています。
宿泊:
ニセコのコンドミニアムやペンション。大型犬もOKな宿が多いのが特徴です。
3日目:ニセコ周辺 → 新千歳空港・苫小牧港
ニセコアンヌプリ国際スキー場(夏季):
ゴンドラに愛犬と一緒に乗れる期間があります。山頂からの絶景は格別です。
羊蹄山の湧き水スポット:
京極町のふきだし公園などで、美味しい水を汲んで休憩してから帰路へ。
【絶景】富良野・美瑛・旭川コース(2泊3日)
北海道らしい丘の風景やお花畑を楽しみたい方向けのコースです。
1日目:旭川空港 → 旭川・美瑛
就実の丘・パッチワークの路:
車窓からの景色が最高です。交通量の少ない農道で、少し車を停めて(通行の邪魔にならない場所で)写真を撮るのがおすすめ。
四季彩の丘(美瑛):
カートや抱っこであれば、一部エリアを除き入場可能な場合があります(※規定が変わる場合があるため要事前確認)。広大なお花畑は圧巻です。
2日目:富良野エリア
ファーム富田:
ラベンダーで有名です。園内はリード着用で散歩可能です(ショップ・カフェ内は不可)。ラベンダーソフトクリームを外のベンチで楽しみましょう。
富良野チーズ工房:
敷地内の白樺林を散歩できます。ピッツァ工房のテラス席はペット可の場合が多いです。
3日目:かなやま湖 → 帰路
かなやま湖畔キャンプ場(南富良野):
湖畔の散歩が気持ち良いスポット。ドッグランがあるエリアもあります。エゾシカに遭遇することもあるので、呼び戻しができるようにしておきましょう。
エリア別のお出かけコース
札幌市
札幌での犬連れ観光は、計画次第で満足度が大きく変わります。札幌は「大通公園」のような都市型スポットと、「モエレ沼公園」のような広大な自然スポットが車で30分圏内に共存しているのが特徴です。
旭川市
北海道第2の都市、旭川。旭山動物園や旭川ラーメンで有名ですが、実は「犬連れ観光」の難易度が少し高いエリアです。最大の理由は、観光の目玉である「旭山動物園」や、人気ガーデン「上野ファーム」が、基本的にペット同伴不可だからです。何も知らずに行くと、「入り口で断られて車で待機」という悲しい結果になりかねません。
函館市
異国情緒あふれる港町・函館。函館は「建物内NG」の場所が多いものの、「街歩き」の満足度は北海道No.1と言っても過言ではありません。美しい教会群、石畳の坂道、そして海。これらをバックに愛犬と写真を撮るだけで、絵になる思い出が作れます。一方で、函館山や飲食店など、人気スポットには厳しいペット制限があるのも事実です。
北海道で犬連れ旅行をする際の5つの注意点
本州とは環境が違うため、北海道特有のリスク管理が必要です。ここだけは必ず押さえてください。
1. エキノコックス症に注意
キタキツネが媒介する寄生虫です。感染すると重篤な肝機能障害を引き起こす可能性があります。
対策:
愛犬に沢の水を飲ませない
草むらに深く入らせない
地面に落ちているものを食べさせない
帰宅後、念のため獣医師に相談する
2. ヒグマ対策
山間部だけでなく、札幌市内の自然公園でも目撃情報があります。
対策:
熊鈴をつける(犬の首輪と人の両方)
薄暗い時間帯(早朝・夕暮れ)の散歩は避ける
フンは必ず持ち帰る(臭いで誘引しないため)
3. 気温差とアスファルトの熱
北海道は夏でも夜は冷え込むことがあります。逆に昼間は30度を超えることも増えています。
対策:
夏でも薄手の洋服を用意する
昼間のアスファルトは熱いので、散歩は土の上か涼しい時間帯に
4. 移動距離の誤算
地図で見ると近く見えても、実際は峠越えが必要で時間がかかることがあります。
対策:
Googleマップの所要時間に「+30分」の余裕を持たせる
トイレ休憩の場所(道の駅など)を事前にピックアップしておく
5. 立ち入り禁止区域の確認
国立公園の特別保護地区など、ペットの立ち入りが厳しく制限されている場所があります。
知床五湖:地上遊歩道はペット不可
湿原の木道:多くはペット不可
「行ってみたら入れなかった」を防ぐため、公式サイトで「ペット」「犬」のキーワード検索をして確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 北海道の飲食店はペット同伴可能なお店が多いですか?
A. 冬場はテラス席が閉鎖されるため、店内OKのお店は札幌やニセコなどの都市部・観光地に限られます。キッチンカーやテイクアウトを活用し、公園や車内で食べるスタイルも計画に入れておくと安心です。
Q. フェリーで犬が船酔いしないか心配です。
A. 大型フェリーは揺れが少ないですが、海況によります。乗船前の食事は少なめにし、獣医師に相談して酔い止め薬を処方してもらうことをおすすめします。
Q. 冬(雪道)の犬連れ観光はどうですか?
A. 雪遊びが大好きな犬種には天国ですが、小型犬や寒さに弱い犬種には過酷です。また、飼い主にとっても冬道の運転は非常に危険です。初めての冬道運転であれば、公共交通機関(ペットタクシーなど)の利用を検討するか、雪のない時期を選ぶのが無難です。
準備万端で最高の思い出を
北海道の犬連れ観光モデルコースについて解説しました。
- エリアを欲張らずに絞る(道央、道東など)
- 移動手段(フェリー・飛行機・レンタカー)は早めに予約
- エキノコックスやヒグマなど、北海道特有のリスクを知る
- 国立公園などの立ち入り制限を事前にチェックする
愛犬と見る北海道の景色は、きっと一生の宝物になります。無理のないスケジュールで、安全で楽しい旅にしてください。
執筆:どうみんライフ