函館市におけるペットの飼育数と飼育率について、最新の人口データ(住民基本台帳)と全国ペットフード協会の調査数値を基に算出した結果を公開します。
2025年12月末時点での函館市の人口は約23万2000人。このデータを基に算出した推計飼育数は、犬が約1万7200頭、猫が約2万2300頭となり、猫の飼育数が犬を約5000頭上回る結果となりました。
この記事では、坂の多い地形や観光地特有の事情を抱える函館の飼育実態について解説します。これからペット関連の事業を検討されている方や、地域の飼育実態を知りたい方はぜひ参考にしてください。
目次
【結論】函館市のペット飼育数と飼育率の推計結果
函館市の世帯数(13万7510世帯)をベースに、全国の飼育率および平均飼育頭数を掛け合わせて算出した結果は以下の通りです。
| 項目 | 犬(Dog) | 猫(Cat) |
|---|---|---|
| 推定飼育世帯数 | 約12,650世帯 | 約12,500世帯 |
| 平均飼育頭数/世帯 | 1.36頭 | 1.78頭 |
| 推定総飼育頭数 | 約17,200頭 | 約22,300頭 |
数字から読み解くポイント
算出結果から、函館ならではの傾向が見えてきます。
- 飼育世帯数はほぼ同数
実際にペットを飼っている世帯の数は、犬と猫で大きな差はありません。わずかに犬の方が多い計算になりますが、誤差の範囲と言えるでしょう。 - 総数では猫が圧倒的
1世帯あたりの多頭飼育率(平均1.78頭)が高い猫は、総数で見ると犬よりも約5,000頭以上多く存在しています。
算出根拠と計算ロジック
今回の推計値は、曖昧な感覚値ではなく、以下の公的データおよび業界団体の最新指標を用いて算出しています。
使用したデータと計算式
基礎データ
函館市の総人口:232,760人(2025年12月末時点 住民基本台帳)
函館市の総世帯数:137,510世帯
高齢化率(65歳以上):37.5%
参考指標(一般社団法人ペットフード協会 全国犬猫飼育実態調査より)
犬の飼育率:約9.2%(全国平均ベース)
猫の飼育率:約9.1%(全国平均ベース)
1世帯あたりの平均飼育数:犬1.36頭、猫1.78頭
計算式
飼育世帯数 = 函館市総世帯数 × 飼育率
総飼育頭数 = 飼育世帯数 × 平均飼育数
推計における注意点
この数値は全国平均の係数を函館市の世帯数に当てはめた推計値です。特に函館市は高齢化率が37.5%と全国平均よりも高く、実態としては散歩のいらない猫の比率がこの計算値よりもさらに高い可能性があります。また、野良猫の保護活動(地域猫)を含めると、実質的な猫の生息数はさらに多いと考えられます。
函館市特有の飼育事情と傾向
データだけでは見えてこない、函館市ならではの地域事情を補足します。「坂の街」「観光都市」という側面が、ペットライフにも影響を与えています。
1. 「坂道」と高齢化による犬飼育のハードル
函館、特に西部地区は坂が多く、冬場の路面凍結も深刻です。高齢化率が高い函館市において、足元の悪い坂道での犬の散歩は飼い主にとって大きな負担となります。この地理的要因が、散歩不要な猫の飼育や、室内運動で済む超小型犬へのシフトを加速させています。
2. 観光地ゆえの野良猫問題と地域猫活動
観光客が多く訪れるエリアでは、野良猫の餌やりトラブルや多頭飼育崩壊が課題となることがあります。これに対し、函館市では飼い主のいない猫への不妊去勢手術費用の補助を行うなど、「地域猫」としての管理を推進しています。
3. 本州との玄関口としてのペット事情
津軽海峡フェリーなど、ペット同伴で本州から訪れる観光客が多いのも函館の特徴です。そのため、市内のドッグランやペット可ホテルなどのインフラは比較的整っていますが、定住者の飼育実態としては、やはり厳しい冬と高齢化を見据えた「室内完結型」が主流です。
今後の予測と市場分析
現在のデータとトレンドを掛け合わせると、今後函館市では以下のような動きが予測されます。
世帯数減少に伴う総数の縮小
人口・世帯数の減少ペースが早いため、ペットの飼育総数自体は緩やかに減少していくでしょう。ペット関連ビジネスにおいては、新規獲得よりも「既存飼い主の単価アップ(高付加価値サービス)」が鍵となります。
高齢者世帯と「見守り付き」ペットライフ
独居高齢者が猫と暮らすケースが増えています。今後は、飼い主が入院や施設入居となった際にペットをどうするかという「信託」や「引受」に関するサービスの需要が、他都市よりも先行して高まる可能性があります。
犬は「小型化・少数精鋭」へ
犬の飼育頭数は横ばいか微減の傾向です。しかし、1頭にかける支出額(プレミアムフード、トリミング、ウェアなど)は増加しており、数は減っても市場規模は維持される見込みです。
猫は「多頭化・家族化」が加速
猫の飼育頭数は今後も微増または高止まりが予想されます。特に保護猫活動への関心の高まりから、2匹目、3匹目を迎え入れる家庭が増えるでしょう。
今後も北海道の暮らしに役立つデータを発信していきます。
執筆:どうみんライフ