北海道への移住や転勤が決まった際、最大の悩みとなるのが大切な家族であるペットとの移動方法と、北海道特有の冬の暮らしです。
本州とは異なる気候や環境の中で、ペットが安全に移動し、快適に暮らすためには事前の準備が欠かせません。「飛行機とフェリー、どっちがいいの?」「冬の散歩は大丈夫?」といった疑問に対し、北海道での暮らしを解説します。
検索してよく出てくる一般的な情報だけでなく、実際に住んでみないとわからない冬の落とし穴や、物件選びのリアルな基準まで踏み込んでお伝えします。
目次
北海道への移動手段は「飛行機」か「フェリー」が現実的
北海道へのペットを連れての移動手段は、大きく分けて飛行機、フェリー、陸路(新幹線+車)の3つがあります。しかし、ペットの負担と移動時間を考慮すると、実質的な選択肢は飛行機かフェリーの二択になります。
スピード重視なら「飛行機」
もっとも短時間で移動できるのが飛行機です。本州から数時間で到着するため、移動そのものの拘束時間は最短です。
メリット
- 移動時間が圧倒的に短い
- 人間も疲れにくい
注意点とリスク
- 貨物室預かりとなる(客室同伴可能な航空会社・プランは極めて限定的)
- 夏場の熱中症、冬場の寒さのリスクがある
- 短頭種(ブルドッグやパグなど)は呼吸器系のトラブル防止のため、多くの航空会社で夏季または通年の預かりが禁止されている
- 大きな音が苦手なペットにはストレスが大きい
航空会社によってケージのサイズ規定や料金が異なるため、必ず事前に公式サイトで最新の「ペットのお預かり」情報を確認してください。
安心感重視なら「フェリー」のウィズペットルーム
北海道へ向かう長距離フェリー(商船三井さんふらわあ、新日本海フェリー、太平洋フェリーなど)には、ペットと一緒に個室で過ごせる「ウィズペットルーム」や、ペット専用のケージルームが用意されている船があります。
メリット
- ウィズペットルームなら、飼い主と同じ部屋でケージから出して過ごせる(船による)
- 移動中も様子が見られるため安心感がある
- ドッグラン併設の船もあり、気分転換ができる
- 車と一緒に移動できるため、北海道到着後の移動がスムーズ
注意点
- 移動時間が長い(関東から約19時間〜、関西から約20時間〜など)
- ウィズペットルームは人気が高く、予約がすぐに埋まる
- 船酔いするペットには対策が必要
新幹線・陸路移動をおすすめしない理由
北海道新幹線は現在「新函館北斗駅」までしか開通していません。そこから札幌や道内の主要都市までは車や特急でさらに数時間かかります。乗り換えの手間や長時間のケージ待機を考えると、ペットへの負担が非常に大きくなるため、どうみんライフ編集部としてはあまりおすすめしません。
北海道でペットと暮らす物件探しの絶対条件
北海道での物件探しは、本州の基準とは全く異なります。「ペット可」であることはもちろんですが、冬の寒さに対応できる設備があるかがペットの命に関わります。
暖房設備は「FF式ストーブ」か「セントラルヒーティング」
北海道の賃貸物件で必ず確認すべきなのが暖房設備です。エアコン(寒冷地仕様)だけの物件も増えていますが、真冬の氷点下の日々においては、足元から暖めるパワフルな暖房が必要です。
推奨設備
- FF式石油ストーブ:室内の空気を汚さず、強力に暖める北海道の定番。
- セントラルヒーティング:パネルヒーターで部屋全体を24時間一定温度に保つ。火を使わないので留守番中のペットにも安全。
避けるべき設備
- ポータブル石油ストーブ禁止の物件が多い(火災防止・結露防止のため)。
- 古いエアコンのみの物件は、光熱費が高額になり部屋も暖まりにくい可能性があります。
玄関フード(風除室)と足洗い場の有無
雪国特有の設備である「玄関フード(二重玄関)」は、ペット飼育において重要です。
メリットとして、外気と内気のクッションになり、脱走防止の役割も果たします。また、散歩帰りに雪や泥を落とすスペースとしても活用できます。
マンションの場合は、エントランスに「ペット足洗い場」があるかどうかもチェックポイントです。冬の散歩後は足が濡れて汚れるため、共用部に洗い場があると非常に便利です。
1階か2階以上か?積雪時の視点
ペット飼育では1階が人気ですが、北海道では注意が必要です。
- 1階のメリット:足音が響きにくい、庭付きなら雪遊びができる。
- 1階のデメリット:雪が多い地域では、窓が雪で埋まり日当たりが悪くなる。底冷えしやすい。
寒がりのペットの場合は、床暖房がない限り、底冷えしにくい2階以上の方が快適に過ごせるケースも多いです。
北海道の冬を乗り切るペットケアと注意点
無事に引っ越したあとも、北海道ならではのリスク管理が必要です。
室内と外の寒暖差ヒートショック対策
北海道の住宅は気密性が高く室内は暖かいですが、一歩外に出ると氷点下の世界です。この温度差(ヒートショック)は、高齢のペットや心臓に持病のあるペットにとって命取りになります。
対策として、散歩前は玄関や廊下で少し温度に慣らす、服を着せるなどの工夫をしてください。
雪道の散歩は「融雪剤」に要注意
冬の道路には、凍結防止のために「融雪剤(塩化カルシウムなど)」が撒かれています。これをペットが素足で踏むと、肉球が炎症を起こしたり、舐めて中毒症状を起こしたりする危険があります。
対策
- 犬用の靴やブーツを履かせる
- 散歩後は必ずぬるま湯で足を洗う
- 融雪剤が撒かれている大通りを避けて歩く
引っ越し前後のやることチェックリスト
スムーズな引っ越しのための手順を整理しました。
引っ越し前(1〜2ヶ月前)
- 移動手段の予約(飛行機・フェリーは早めの確保が必須)
- かかりつけ医への相談(酔い止め薬の処方、健康診断)
- クレート(ケージ)トレーニング(移動用ケージに慣れさせておく)
- ワクチン接種証明書の準備
引っ越し直後
- 最寄りの動物病院を探す(冬場に通いやすい距離か確認)
- 登録住所の変更(犬の場合は狂犬病予防法に基づく登録変更が必要)
- 室内環境の整備(ストーブガードの設置など)
よくある質問(FAQ)
Q. 北海道への引っ越し、犬や猫へのストレスはどのくらいですか?
A. 移動そのものが大きなストレスになります。特に飛行機の貨物室は大きな音と気圧変化があります。繊細な性格の子はフェリーの個室利用を検討するか、事前に獣医師に相談して安定剤などを処方してもらうことも選択肢に入れてください。
Q. 冬の北海道で外飼いはできますか?
A. 北海道犬など寒さに極端に強い犬種を除き、基本的には不可能です。命に関わりますので、必ず完全室内飼育をしてください。
Q. 賃貸物件の「ペット可」と「ペット相談」の違いは?
A. 「ペット可」は飼育を前提としていますが、「ペット相談」は大家さんの判断次第です。北海道では大型犬可の物件は非常に少ないため、大型犬の場合は早めに不動産会社へ相談する必要があります。
準備さえ整えば北海道はペット天国
北海道へのペット連れの引っ越しについて解説しました。要点は以下の通りです。
- 移動手段は、時間優先なら飛行機、安心優先ならフェリーを選ぶ。
- 物件選びは「FF式ストーブ」「二重玄関」「除雪体制」を重視する。
- 冬の散歩は融雪剤による肉球トラブルに注意する。
北海道は広大な公園や自然が多く、夏は涼しく過ごしやすいため、ペットにとって素晴らしい環境です。冬の厳しさへの対策さえしっかり行えば、愛犬・愛猫との充実したどうみんライフが待っています。
執筆:どうみんライフ