人と動物が共生する社会の実現|北海道動物愛護センター(あいにきた)

■プロフィール
施設名:北海道動物愛護センター(あいにきた)

 

Q.北海道動物愛護センター「あいにきた」について教えてください。

北海道内の4拠点(道央・道南・道北・道東)で、道内40か所の保健所に一定期間収容した犬・猫の引取りや飼育、譲渡のほか、動物の適正飼養に関する普及啓発などに取り組んでいます。
道央地区には、基幹センターとして「北海道立動物愛護センター」を設置し、道南・道北・道東地区にはサテライトセンターとして業務委託による施設運営を行っています。

Q.愛称になっている「あいにきた」という名前には、どのような意味が込められているのでしょうか。

一生を共にする動物に「会いに来た」と愛護センターの「愛(あい)」、北海道の「北(きた)」の意味を重ねています。

Q.どのような職種のスタッフが在籍されていますか。

獣医師、愛玩動物看護師を含む飼育スタッフ、事務職員などが働いています(基幹センター)

Q.北海道内には、他にも動物保護センターがありますが、「あいにきた」との違いや連携について教えてください。

札幌市・旭川市・函館市の動物愛護管理センターは、各市において運営しておりますが、「あいにきた」はより広い全道域の所管となっています。
また、道内の他施設は地域の住民や自治体から直接犬猫を引き取っているのに対し、「あいにきた」では道立保健所から引取りを行っているところが大きく異なります。
道内の各施設とは日常的に情報交換を行い、イベントを共催したりするなど、様々な形で連携しています。

Q.「あいにきた」基幹センターは酪農学園大学内に設置されていますが、大学との連携はどのように行われていますか。

大学附属医療センターに、基幹センターの犬猫の健康診断や避妊去勢手術、治療をお願いしています。
このような医療を、獣医学生の実習の機会としてもらうこともあります。その他、獣医看護学生による基幹センターの実務実習や大学院生・教員との共同研究、大学イベントへの参加など、多岐にわたる連携を図っています。

Q.センターには何頭くらいの犬や猫が保護されていますか。

昨年度(2024年度)、基幹センターでは犬1頭、猫54頭を収容し、うち犬1頭、猫39頭を譲渡しました。
サテライトセンター3施設との合計の収容数は犬11頭、猫232頭で、犬10頭、猫185頭が譲渡されています。

Q.保護された動物たちは、どのようなプロセスで譲渡が行われるのですか。

基幹センターに収容された動物たちは、酪農学園大学の動物医療センターで健康診断を受け、必要に応じて治療等を行っています。
譲渡希望者には、動物との面会や職員との面談の後、譲渡誓約書により適正飼養をお約束いただいてから譲渡しています。

Q.譲渡希望者に対して、選定基準やルールなどがあれば教えてください。

家族全員の同意や避妊去勢手術の実施、ペット禁止物件でないこと、猫は屋内飼育すること等、譲渡の条件があり、譲渡申込の際に書面で確認しています。

Q.取り組まれている啓発活動について教えてください。

昨年度(2024年度)は、特にペットの防災対策をテーマとした講演や展示会、イベント出展などを行いました。
インターネットを介した情報発信も積極的に行っており、収容動物たちの様子をSNSで日々紹介するほか、動物の適正飼養に役立つ情報を提供しています。

Q.これからペットを迎えようと考えている方へ伝えたいことはありますか。

まずは、迎えようとする動物の習性や生態を理解したうえで、ご自身の生活環境やライフスタイル、健康、経済状況などに照らし、本当に最期まで飼い続けられるのか、よく考えてください。

Q.最後に、北海道の動物福祉の未来について、センターとして目指しているビジョンや目標があればお聞かせください。

動物の命を尊重し、人と動物が共生する社会の実現が、センター業務を含む、北海道の動物愛護管理行政の目標です。
そのためには、動物の福祉や適正な飼育に関する普及啓発が欠かせません。そこで、普及啓発の一環として、現在、日頃動物と関わりのない方にも動物の適正な飼養や動物愛護センターの役割について知っていただけるよう、SNSのフォローを通じて情報発信にご協力いただく「あいにきたサポーター」を募集中です。
皆さまもぜひサポーターになってください!

 
公式サイト

 

執筆:どうみんライフ